新書のすゝめ 〜 どうなる、アメリカ?

1. アメリカの大問題 . . . 2016 / 高岡 望 (のぞむ)

アメリカの大問題

「世界一豊かな国」を自称していたアメリカが今世紀に入って直面している問題について、外務省OBの著者が3つの要項を挙げて分析する。@1千万人以上の移民が暮らす「世界一の移民大国」のアメリカでは急速に格差が広がっており、政治がこれを巡って対立している A国内外における「力の行使」の問題。国内ではオバマ大統領が涙ながらに銃規制を訴えた8年間にも乱射事件が多発しているにも関わらず、全米500万人の有権者となるライフル協会との協議すら許されない。しかし一方で対外的には武力の行使を抑えており、「もはや世界の警察官ではない」という宣言は次期政権にも引き継がれている。B 石油に代わる新たなエネルギー問題。2016年に史上最大のシェール油田が発見されたテキサス州から始まったエネルギー戦略の変化の様子を、その州都であるヒューストンに総領事として赴任していた著者が如実に描きながら、アメリカにとって百年に1度の歴史的な転機となるこれら3つの大問題を検証する。


2. 沈みゆく大国 アメリカ . . . 2014 / 堤 未果 (つつみ・みか)

沈みゆく大国アメリカ

高すぎる医療費と保険料・そして貧富の格差によって国民の15%以上が保険に入れないアメリカ。そんな惨状から弱者を救い、国民皆保険(かいほけん)の実現を目指したのが「オバマケア」だ。 しかし2014年からその施行が始まると、保険会社は財源確保のために保険料を値上げし、医師の負担は急増して医療の崩壊が加速化。正社員の保険料を削減したい企業側はリストラを進め非正規労働者が激増と、アメリカの歴史で類を見ない悪法と呼ばれる結果となった。保険会社と製薬会社・そして大企業と大手投資家だけが儲かって国民にそのツケを回すというこの現象は、サブプライムローンで貧困層を借金漬けにした金融政策がリーマンショックという大事件を招いた2008年の状況と似ていると分析するのは、『ルポ貧困大国アメリカ』などのベストセラーで知られる米国在住のジャーナリスト・堤未果。国民の1%を占める「スーパーリッチ」が意図的に進めたこの「国家解体ゲーム」が次のターゲットとするのは日本なのか?1961年に始まってから半世紀以上、国民の誰もが保険証1枚で医療を受けられる、日本が世界に誇る「国民皆保険制度」がアメリカによって破壊されると警告する。


3. オバマも救えないアメリカ . . . 2011 / 林 壮一

オバマも救えないアメリカ

「チェンジ!」と叫んで2009年に黒人初のアメリカ大統領となったオバマさん。その2年後に現地を訪ね歩き、労働者や貧困層などの「庶民」への取材を重ねた著者が、彼らの不平不満を反映したルポルタージュ。つい最近まで「自由の国」「豊かな国」などと讃えられていたアメリカだが、新自由主義という経済原理に基づいた「金融工学」というイカサマが引き起こしたサブプライムローン問題やリーマンショックが庶民の生活を直撃、格差はますます拡大した。「何もしなかった大統領」は2017年に任期を終えたが、次に「何をするか分からない」トランプさんが大統領となったアメリカは一体どこに向かうのか? 元プロボクサーで、アメリカの高校教師の職歴も持つジャーナリストが、オバマ氏の遺した「負の遺産」を現地からレポートする。


4. トランプ時代の日米新ルール . 2017/ 薮中 三十二 (やぶなか・みとじ)

トランプ時代の日米新ルール

「アメリカ・ファースト」を掲げて大統領になったトランプさんの率いる「世界最強の国」・アメリカが、戦後70年余りに渡って世界で果たして来たリーダーの役割を自ら放棄しようとしている。外務省で事務次官を務めた著者が、2017年1月のトランプ政権の誕生から100日余りを追い続け、「負けず嫌いの勝負師」が次々と打ち出す予測不能の政策や、勝つためには何でもありのビジネスマンの「頭の中」が一体どうなっているのかを分析して、これからの日米関係と世界の情勢を読み解く。「メキシコとの国境に壁を作る」「株安は中国のせい」「イスラム教徒は入国禁止」など、選挙期間での奔放な発言は元より、大統領に就任してからも首席戦略官やFBI長官・そして国務長官などの側近たちを次々と排除する一方で、マスコミには「フェイクニュース」などと喧嘩を売り続けるそのやんちゃぶりで日々の話題には事欠かないが、この「何をするか分からない大統領」に日本の安全と未来を委ねるのは極めて危険であると明言。日本は今までの「アメリカ頼みの一本足打法」から脱却し、日本人の素晴らしさ・外交力・防衛力という「三本柱」に軸足を移すべきと提言する。ちなみに著者は大阪生まれの阪神ファン...


5. アメリカが劣化した本当の理由 . . . 2012 / コリン・P・A・ジョーンズ

アメリカが劣化した本当の理由

「自由の女神」がシンボルのアメリカ合衆国は世界が憧れる「自由の国」。ところが現実のアメリカは自由でなければ平等でもなく、ましてや「民主主義」などは幻想に過ぎない!と切り捨てるのはアメリカの法学者で日本の大学でも教鞭を執るジョーンズ博士。欠陥だらけの合衆国憲法、巨大な権力が集中するあまりに暴走を止められなくなったアメリカ大統領、そして今でも蔓延している人種差別・女性に対する暴力・銃による乱射事件... この国が抱える根本的な問題が生み出す今の状況を分析し、真の民主主義とは何かを問い質(ただ)す。


6. 自滅するアメリカ帝国 日本よ、独立せよ . . . 2012 / 伊藤 貫

自滅するアメリカ帝国

1992年にニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストの2紙にすっぱ抜かれて国際的スキャンダルとなったペンタゴンの機密文書の内容は、「冷戦の終了後は軍事と経済で世界を支配し、ライバル国の出現を許さない。日本には自主防衛への能力を持たせない」という不敵の国家戦略だった。だがその後の四半世紀の現状は中国やロシアの台頭・中東やアフリカにおける軍事介入の失敗・さらにはイスラム諸国との文明の衝突などによってその一極派遣構想は崩壊、「世界の警察官」の看板を降ろすまで凋落した。多極化する世界において、戦後の長きに渡り米国に依存して来た日本の進むべき道は? 国際政治のど真ん中に位置するワシントンに30年以上も暮らす国際政治アナリストが2020年代における日本のグランドステージを展望する。


7. なぜアメリカは対日戦争を仕掛けたのか. 2012 加藤英明/H・ストークス

なぜアメリカは対日戦争を仕掛けたのか

戦後のGHQによって「日本が二度とアメリカに刃向わないように」と進められた教育の結果、先の大戦は「日本の帝国主義が招いた過ち」「日本軍部の暴走」などとして日本人に深く擦り込まれた自虐史観。しかし本書はこんな幻想を真っ向から否定し、「アメリカが仕掛けた対日戦争だった」と結論付ける。アメリカによる日本征服の野望は、ペリー率いる黒船艦隊が浦賀に来航して日本に開国を迫った1853年から既に始まっており、対日強硬派のルーズベルト大統領が仕掛けた大戦で勝利した結果として、マッカーサーによって日本がアメリカの属国となる「仕上げ」が完了した。 保守派の外交評論家であり、世界最古の百科事典として名高い「ブリタニカ」の日本語版である「ブリタニカ国際大百科事典」(1972年)の初代編集長を務めた加瀬氏と、フィナンシャルタイムズやニューヨーク・タイムズの東京支局長を歴任したイギリスのジャーナリストで、現在はNHK英会話や“本音マル出し”ぶっちゃけワイドショーの「5時に夢中!」などで人気のハリー杉山のお父上でもあるヘンリー・S・ストークス氏のお2人による「正しい歴史」講座。


8. いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ . 2013/ 古森(こもり) 義久

いつまでもアメリカが守ってくれると思うなよ

ベトナム戦争中に毎日新聞のサイゴン特派員を経験し、産経新聞でロンドン・ワシントン支局長を歴任した「アメリカ・ウォッチャー」のジャーナリストが警鐘を鳴らす日本の危機。戦後40年余り続いた東西冷戦の間にソ連が日本に軍事攻撃を仕掛けなかったのは日米同盟による抑止力の成果であったとする一方で、2009年以降のオバマ政権がアメリカにもたらした「重大な変化」が日本の安全保障を脅かしていると警告。中国が尖閣諸島を、韓国が竹島を軍事力で奪いに来る現状において、もうこれ以上アメリカ頼みの国防を続けるべきではない、世界が歴史的な曲がり角に来ている今こそ日本の国のあり方を根底から変えるべきと強く訴えた一冊。


9. リベラルの毒に侵された日米の憂鬱 . . . 2018 / ケント・ギルバード

リベラルの毒に侵された日米の憂鬱

1980年代に人気を博した「外人タレント」から、今や日本の安全を語る保守の「論客」へと華麗なる変身を遂げたケント氏が、アメリカと日本が戦後に歩んだ足跡を振り返り、日本が進むべき進路について提言する。政治の分野においては本来、自由主義という意味で使われた「リベラル」という言葉が、今では「左翼と呼ばれたくない人たちの自称」に成り下がっていると嘆き、戦後70年余りを通してアメリカと日本にそれが与えた悪影響を検証しながらアメリカの悲惨を繰り返さぬための考えを熱く語る。