新書のすゝめ 〜 定年・老後・年金

1. 65歳定年制の罠 . . . 2013 / 岩崎 日出俊

65歳定年制の罠

戦後40年にも渡って経済成長を続けた日本ではサラリーマンの定年といえば55歳であったのが、「高年齢者雇用安定法」の改正とやらで1998年からは60歳に延長された。2013年にはさらに5年も延びて65歳になったのだが、「おかげで65歳まで働ける」などと喜んでいる場合ではない。これは1970年代から始まった少子高齢化と年金問題に対し何ら有効な方策を打てなかった政府が、財源の無い年金の支給開始を60歳から65歳に遅らせるために講じた苦肉の策なのであり、そのしわ寄せを受けているのが企業と社員の両方なのだ!・・・ 外資系の投資銀行を渡り歩いた経営コンサルタントが日本の定年制の矛盾を暴き、老後の破綻を避ける方策について提言する。


2. 定年後 年金前 . . . 2011 / 岩崎 日出俊

定年後 年金前

企業は60歳を迎えてやっと退職するはずだった社員を解雇できずに5年も余計に給料を払い続けなくてはならず、60歳の社員は手取りが半額に、あるいは派遣社員の扱いへと「格下げ」されながらも年金が出る65歳まで会社にしがみつく。そして彼らを雇うために自分たちの給料を減らされた若手社員たちからは冷たい視線を浴びせられて居場所が無くなって....。定年後から年金受給までの「空白の5年間」をどう迎えれば良いのか、再雇用に甘んじるのか個人事業を始めるのか、どちらを選ぶにしても安全な方法は??


3. みっともない老い方. . . 2011/ 川北 義則

みっともない老い方

「人面魚現わる !」・「電線に止まったUFO」・さらには「マドンナ痔だった !」など衝撃的な一面見出しで有名な東京スポーツ(東スポ)で出版部長を務め、独立後は1979年の『天中殺入門』や1995年の『脳内革命』というベストセラーの仕掛け人として知られる一方で、『男の成熟』・『遊びの品格』など100冊を超える自著で男の生き方・働き方を問い続ける「生活経済評論家」の川北氏が、60歳からの暮らし方について提言する。人類が史上初の「超高齢社会」という未体験ゾーンに突入しようとする今、定年後の20年以上にも渡る日々を単なる「人生の延長戦」とか「オマケの余生」と考えるのではなく、人生の第二幕として新たに「生き直す」のだと啓蒙する。現役時代には職場や人間関係に縛られて思うように出来なかった人ほど、今こそ「素の自分」に立ち戻り、断捨離と上機嫌を基本としたライフスタイルの転換が不可欠であると説く。副題は『60歳からの「生き直し」のすすめ』


4. 老いの幸福論 . . . 2011 / 吉本 隆明

老いの幸福論

詩人・評論家としての活動以上に、戦後日本を代表する「思想家」の一人という印象が強烈だった吉本隆明(2012年に87歳で死去)。山形から上京し、東工大で電気化学を学んだ後は工場勤務を続けながら詩作に励み、文学・政治・宗教など広範囲に渡る「知の巨人」として戦後世代に多大なる影響を与えた。現在の「高齢化社会」とは単に老人の数が多くなったという現象ではなく、年を取っても若々しい人々と、20〜30代にも関わらず老人のように衰えた人々のバラつきが多くなった「老齢化社会」であると定義し、その老齢期の真ん中にある彼が「幸福」について考える。自らの「老い」や「死」のみならず、家族との過ごし方や子供(漫画家のハルノ宵子・小説家の吉本ばなな)の教育・さらには年老いた親の問題など、自身が専門とする科学や宗教・哲学を越えた目線で自由気ままに語りつくす幸福論。


5. 定年後の勉強法 . . . 2012 / 和田 秀樹

定年後の勉強法

東大卒の精神科医という日本の偏差値エリート最高峰に属するマルチタレントで、評論や小説も手掛ける和田センセイによる「老後の勉強術」。大学受験のアドバイザーも務める立場から、60歳を超えてなお20年以上も時間のある高齢者にとっての勉強とは、受験時代とは全く違った長期的な視点で取り組む「知識のアウトプット」であると力説する。その1つが「健康法としての勉強法」、つまり脳を使い頭を鍛える勉強こそが健康と長生きに役立つというもので、もう1つが「自己実現のための勉強法」だ。若い頃は時間やお金の制約によって断念していたが今こそ学びたいと思う分野や、年金が当てにならなくなった時代の自己防衛として「実益をともなう」勉強を 。自分が今までやってきた実績や主義主張に捕らわれず、頭を柔らかくして時代の変化に対応した勉強法 。ていうか、ちくま書房には「定年」を扱った新書がいっぱい。


6. 老いの才覚 . . . 2010 / 曾野 綾子

老いの才覚

当ウェブサイトの <頑張れ日本人!><人間とは?><人間関係>のテーマに続いて4度目のご登場となる綾子センセイ。超高齢化が進む日本の社会において、引きこもりやニートよりもずっと大きな問題が、「年の取り方を知らないワガママな老人が増えていること」だと断言。第二次大戦を体験した世代の人々が、足るを知り「老いる才覚」を持った人々であるのに対して、その次の世代の高齢者の多くが「自分は年寄りだから〇〇してもらって当たり前」のように、苦労を知らずに年を重ねた「おめでたい老人」になってしまったのは、戦後の教育思想と過保護な福祉政策が原因とし、自立した老人になるための心構えを提唱する。「夫婦・子供と付き合う力」「孤独と付き合い人生を楽しむ力」「老い・病気・死と慣れ親しむ力」など、美しく老いるための知恵が詰まった一冊。


7. 定年前後の「やってはいけない」 . . . 2018 / 郡山 史郎

定年前後のやってはいけない

2013年から施行された「高年齢者雇用安定法」により、それまで60歳と定められていた定年退職が、希望すれば誰でも同じ会社で65歳まで働けるようになった。しかしこの雇用延長は厚労省が苦肉の策として定めたものに過ぎず、企業側にしてみれば「定年後まで面倒を見切れない」というのが本音である。そんな状況の中で、果たしてそのまま居座り続けるのか、あるいは転職・起業によって第二の人生を歩むのかは大変に悩ましいところ。本書では伊藤忠やソニーなどに勤務し、その後は人材紹介のプロとして3千人の転職・再就職をサポートした著者が、定年を迎えようとする人々が事前に知っておきたい事・「やってはいけない」事などを挙げながら、人生の後半戦を楽しむ生き方をレクチャーする。


8. 老後のイライラを捨てる技術 . . . 2012 / 保坂 隆

老後のイライラを捨てる技術

『老いを愉しむ習慣術』・『「ひとり老後」を楽しむ本』・『医者が考える「見事」な老い方』などなど、老いを楽しむというテーマの著書で知られるのは、105歳まで現役で活躍した日野原院長で有名な聖路加(せいるか)国際病院で、がんの治療で入院する患者とその家族に向けた心のケアを行う「精神腫瘍科」の部長を務める保坂医師。60歳を超えると仕事や子育てから解放されて自由となる一方で、先の見えない不安やイライラに襲われる人が増えているという現実を直視。そんな老後のストレスと上手に向き合い、楽しく笑いながら年を取る方法を伝授する。